奥主 榮
(おくぬし えい)
1959年(昭和34年)生まれ。

十代の頃に聞いたフォークソングに魅了され、詩を書き始める。
僕の好きだった、友部正人、三上寛、高田渡は、マイナーな存在であり、周囲からは「売れないなら影響力もないじゃない」とか言われていた。

しかし、五十年近くが過ぎた今、当時「売れていた」歌手が忘れられる中、まだ影響力がある表現者たち。
何かを描くこととは、何だろうと思う。

五十歳になったとき、初めての詩集を出した。
初めは、「詩人として認められたい」という功名心があった。
けれど、何かの賞を受けるとかといったこととは無縁であった。
ただ、「このことを書いてほしかったんです」という、数少ない読者の声にも触れた。

文学フリマで偶然出会った方からは、半年後に「半年の間、詩集を支えに生きてきました」と言われた。
別なイベント会場で出会った他国からの留学生は、僕の詩を「「詩人どうしが評価し合うための詩集ではなく、普通の人に開かれた詩集」とおっしゃられた。

僕はずっと、臆病で、小さく弱い存在でしかなかった。

どんな形であれ、自分と同じような方々に向けて、言葉を発していたい。