電子ゲームのコレクターの史と申します。
「次ナニ集める」の電子ゲームレビュースタッフです。よろしくお願いします。
電子ゲームにはタイプが3種類あります。
LED(発光ダイオード)・LCD(液晶)・FL(蛍光表示管)の3つです。
私はこの中の「FL」に特化して電子ゲームを収集してきました。
なぜかというとゲーム画面がカラフルでサウンドが大きく寿命の心配がないからです。
電子ゲームはゲームウォッチが代表例ですが
液晶のため現在ではもはや画面が黒くなってしまい30年という時を経て寿命になってきています。
そういう悲しいお別れになるのが嫌なのも私が「FL」を選んだ原因でもあります。
私は電子ゲームとのそういうお別れが嫌なのです。死ぬまで大切に生きてて欲しいのです。
もしかして寿命で壊れてしまったかもしれないと思って動作確認のために
電池を入れて蛍光表示管が発光しデカいファンファーレがなると非常に安堵します!
FLはそんな私達電子ゲームコレクターを魅了します。
そんなわけで今回はFLの魅力たっぷりの電子ゲームの中でも佳作の
バンダイ「FLクレイジークライミング」のレビューをしていきましょう。
バンダイ「FLクレイジークライミング」
この電子ゲームは電子ゲーム最盛期1980年代前半に発売されたFLです。
元ネタは日本物産の「クレイジークライマー」です。
(ラッキーなことにスーパーファミコンの「ニチブツアーケードクラシックス」でアーケード版が遊べます)
2本のレバーでビルをよじ登っていく意図が不明?の人気作です。
ご存知の方も多いと思います。
電子ゲームの殆どには元ネタが存在します。
「スペースインベーダー」や「ギャラクシアン」
家庭用ゲーム機に移植される場合、子供たちの心をつかむため
必死に試行錯誤して作られたのが子供時代には気づかないものの
こうして大人になって触ったり遊んでみたりするとよくわかります。
クレイジークライマーの要素である「ビルをよじ登る」「意地悪おじさん」「シラケ鳥」
を見事に再現しています。
サウンドもアーケード版のゲーム音ばりに鳴ります。
そしてなんといっても筐体に2本のレバーが装着されています。
もうこれで殆どクレイジークライマーですね!
まずはビルをよじ登るとき右手・左手と交互に動いてよじ登ります。
この時窓が閉まっている状態で手が挟まれた場合または
意地悪おじさんの植木鉢やシラケ鳥のフンに片手状態のとき(踏ん張りポーズではない場合)キャラが落下してしまいます。
落下するときの背景のスクロールが必見です。
クライマーが1階登るごとに100点追加
49階登りきるとボーナス点として1000点加算
クライマーが植木鉢やフンに当たって墜落しなかったら300点減点
得点が19900点を越えるとデジタルスコア表示は0に戻りまた開始します。
クライマーは3人までいます。3人とも落下してしまうとゲームオーバーとなります。
49階建てのビルの最上階にまで達成するとクライマーが万歳三唱します。これが笑えます。
クレイマーはとても喜んでいる様子ですね。
残念なのがアーケード版にあった「キングコングのパンチ」「最上階でのヘリコプター」
「鉄アレイ・看板の落下表現」が再現出来なかったことです。
電子ゲームにそこまで期待するのは仕方がないですが3点頑張ったところもあります。
①それは画面表示で左右にビルの幅の広さを再現しているところです。
(画面上のビルの表示は3レーンです)クライマーを左右に操作していけば分かります。実際には7レーンのビルの幅があるのです。
②それとビルの窓が閉まってしまい明くまでじっとこらえていなければならない事です。
これもアーケード版と一緒です。窓があくまでじっと我慢しなければなりません。③最後に「踏ん張りポーズ」にしていれば障害物や窓が閉まっていても落下しないところです。
これもアーケード版と一緒。
難易度選択はなく、ゲーム進行で段々難しくなっていくというようなことはありません。
2本のレバーは操作性がやや難ありですが、それは新品時での話です。
遊んでいくうちにレバーが柔らかくなり非常に爽快になります。
クライマーの色が赤一色なところはFLに移植する際に製作経費を抑えるため
配色に制限かけたのだと聞いています。
FLの基本色は薄緑で赤や青といったものになると高価になってしまい子供たちに親御さんが
買ってあげれなくなります。
だから8200円で発売できたのでしょうか。(とはいうもののやはり定価は高い…)
そんなわけで本体の筐体のこだわりやゲーム内容が良くデキているFLクレイジークライミングは個人的には満足作品です。
因みに私は小学生の時に誕生日プレゼントに親から買って貰いました。
非常に思い出深い作品でもあります。
なんといっても当時は昨今のようなビデオゲームではなく最新のゲームマシーンでしたし
電子ゲームはまだバーコードのない製品の時代でした。
このように昭和40年代の古き良き品物と共に育った私はとても幸せです。
日本物産。バンダイ。本当にありがとう。
電子ゲームのFL代表作バンダイ「FLクレイジークライミング」のレビューでした。